社会福祉士国家試験は、高い難易度と広範な試験範囲で知られています。毎年の合格率は約30%前後であり、試験内容は19科目に及びます。2025年からは新カリキュラムに対応した事例問題の増加が見込まれており、今後も難易度は高まり続けることが予想されます。
合格点は毎年異なりますが、概ね6割の得点が必要です。例えば、2023年度の試験では合格点が90点でした。また、合格基準としては総合点での基準に加え、科目ごとの最低点も設定されています。このため、全科目でバランスよく得点を取ることが求められます。
社会福祉士国家試験の受験者数は、1989年から2024年までの間で大きく増加してきました。1989年の試験では1,033人でしたが、2024年の試験では34,539人に達しています。このように受験者数は長年にわたって増加し続けていることがわかります。
試験年度 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2024 | 34539 | 20050 | 58.1 |
2023 | 36974 | 16338 | 44.2 |
2022 | 34563 | 10742 | 31.1 |
2021 | 35287 | 10333 | 29.3 |
2020 | 39629 | 11612 | 29.3 |
2019 | 41639 | 12456 | 29.9 |
2018 | 43937 | 13288 | 30.2 |
2017 | 45849 | 11828 | 25.8 |
2016 | 44764 | 11735 | 26.2 |
2015 | 45187 | 12181 | 27.0 |
2014 | 45578 | 12540 | 27.5 |
2013 | 42841 | 8058 | 18.8 |
2012 | 42882 | 11282 | 26.3 |
2011 | 43568 | 12255 | 28.1 |
2010 | 43631 | 11989 | 27.5 |
2009 | 46099 | 13436 | 29.1 |
2008 | 45324 | 13865 | 30.6 |
2007 | 45022 | 12345 | 27.4 |
2006 | 43701 | 12222 | 28.0 |
2005 | 41044 | 12241 | 29.8 |
2004 | 37657 | 10733 | 28.5 |
2003 | 33452 | 10501 | 31.4 |
2002 | 28329 | 8343 | 29.5 |
2001 | 22962 | 6074 | 26.5 |
2000 | 19812 | 5749 | 29.0 |
1999 | 16206 | 4774 | 29.5 |
1998 | 12535 | 3460 | 27.6 |
1997 | 9649 | 2832 | 29.4 |
1996 | 7633 | 2291 | 30.0 |
1995 | 5887 | 1560 | 26.5 |
1994 | 4698 | 1049 | 22.3 |
1993 | 3886 | 924 | 23.8 |
1992 | 3309 | 874 | 26.4 |
1991 | 2565 | 528 | 20.6 |
1990 | 1617 | 378 | 23.4 |
1989 | 1033 | 180 | 17.4 |
この表は、最新の試験年度から過去に遡る順で、社会福祉士試験の受験者数、合格者数、および合格率の推移を示しています。
合格者数も同様に増加傾向にあります。1989年の試験では180人しか合格しませんでしたが、2024年では20,050人が合格しています。この間、試験の難易度が変わらず高いままであったにもかかわらず、合格者数が増加していることは、受験者の準備がより効果的になっていることを示しています。
合格率は、試験の難易度や受験者の質により変動しています。1989年の試験では17.4%と低い合格率でしたが、その後、合格率は増減を繰り返しながらも概ね20%から30%の間で推移しています。特に2024年の試験では58.1%という高い合格率を記録しました。
このデータを分析することで、受験者数や合格者数の変動、そして試験の難易度に対する受験者の対応力の向上が見て取れます。試験準備の重要性がますます高まっていることがわかります。
社会福祉士試験に合格するためには、計画的な学習が不可欠です。試験の少なくとも半年前から勉強を開始し、毎日1〜2時間の学習時間を確保することが推奨されます。合計で300時間以上の学習を目標にし、学習計画を立てましょう。具体的には、以下のステップを踏むことが効果的です。
個人の状況に応じて、独学、スクール、通信講座などの勉強方法を選択することが重要です。それぞれの勉強方法にはメリットとデメリットがあり、自分に最適な方法を見つけることが成功の鍵となります。
具体的な勉強方法としては、次のポイントに注意することが推奨されます。
試験当日は、以下の点に注意して臨みましょう。
社会福祉士試験に合格するためには、計画的で効率的な学習が不可欠です。過去問の活用、得意科目からの学習開始、最新教材の使用、そして自分に合った勉強方法の選択が成功への鍵となります。また、学習の進捗を定期的に評価し、柔軟に学習計画を修正することも重要です。最終的には、自分のペースで無理なく学習を続けることが、試験合格への最短ルートとなります。
小野寺仁
東京成徳大学人文学部 福祉心理学科卒業。一般社団法人ハンドレッド代表理事。株式会社ヒポクラテス代表取締役社長。 発達障害を持った子ども達の支援を行い、療育する施設を多店舗展開。子ども達の社会性を育む療育に力を入れている。 また、社会福祉士としての活動を通し社会福祉士に100%合格するオンラインスクール「社福の学校」を運営している。社会福祉士受験のオンラインスクールでは入会者数、合格率で日本1を獲得。 SNSでの発信活動を通し、「福祉のスタバ化」に向けて福祉職の意欲向上や社会福祉士の地位向上に邁進している。